やったこと
サプライチェーン全体のScope3排出量を管理するため、活動量データの整備・サプライヤーエンゲージメント・継続的管理体制の3本柱で取り組みを体系化した。多くの業種でScope3排出量が全体の70〜90%を占めるため、自社内の削減だけでは不十分という認識が前提となる。
具体的な手順・工夫
1. 活動データの整備(基盤構築)
- 電力消費量・燃料使用量・生産量などの活動量データを体系的に収集・保存
- データ管理責任者を指定し、カーボンフットプリント算定に対応できる粒度で整理
- 将来の企業間データ連携(AIP連携等)に備えたデータ構造にしておく
2. サプライヤーエンゲージメント
- 取引先へのアンケート配布(排出量・削減目標・取り組み状況)
- CDPサプライヤー評価やサードパーティ認証への参加要請
- サプライヤー向けの支援プログラム・研修の提供
- 回答履歴の一元管理(どの取引先にいつ何を送ったか)
3. 継続的管理体制の確立
- 複数顧客からのアンケートへの一貫した回答管理(数値・目標の整合性維持)
- 排出量算定の継続性(算定方法・境界設定の変更を記録)
得られた結果
CDP・環境省ガイドラインに基づく評価では、(1)排出量の正確な把握、(2)削減目標の設定、(3)削減施策の実施、(4)継続的管理体制の有無、の4軸で評価される。アンケート回答そのものより「継続的に管理する体制があること」が評価の核心。
他社が参考にすべき点
- 製造業・小売業・食品業など仕入れが多い業種ほどScope3の比重が高く優先度が高い
- 「アンケートを送るだけ」では不十分で、回答履歴と実削減数値の両方を管理する体制が必要
- CDP Supplier Engagement Assessment(2025年版)に対応できる管理粒度を最初から設計しておくと、後々の対応コストが減る