やったこと

株式会社カナデンのコラムは、製造業が工場でカーボンニュートラルを実現するための3つの施策(エネルギー可視化・省エネ設備導入・太陽光発電設置)と、自社での空調省エネシステム「Ai-Glies」導入実績を具体的なコスト・CO2削減数値とともに紹介した。

具体的な手順・工夫

施策1:エネルギー監視システムによる消費電力の可視化

  • GHGプロトコル(Scope1〜3)に準拠したCO2排出量の見える化が出発点
  • 工場・オフィスのあらゆるエネルギーを計測し、設備制御も行えるEMSを導入
  • ポイント:「どの工程・設備が電力を消費しているか」が見えることで削減優先順位が決まる

施策2:空調省エネシステム「Ai-Glies」の導入実績(カナデン関西支社での検証)

導入前試算

  • 対象:室外機約15台、月〜金・12時間/日×240日間
  • 見込み削減:電気代約450,000円/年、CO2約7t

実際の導入(効果が見込める室外機9台のみに限定)

  • 導入期間:2023年2月〜2024年2月(1年間)

実績値

  • 基本料金削減:約550,000円
  • 従量料金削減:約540,000円
  • 電気代削減合計:約1,090,000円/年(試算の2.4倍)
  • CO2削減実績:約9.5t(試算の1.4倍)

→ 当初の試算を大幅に超える結果。設置台数を絞ったにもかかわらず試算より高い効果が出た。

施策3:太陽光発電設備のオンサイトPPA導入

  • 工場屋根への太陽光パネル設置で自家消費型に
  • オンサイトPPA方式を選択すれば初期費用0円で太陽光発電設備を導入可能
  • 部材調達→設計→施工→保守→電力販売までワンストップ提供
  • 導入後:電気代削減とCO2排出量削減を同時達成

補助金活用の重要性

  • カーボンニュートラルへの取り組みに対して国・自治体が多様な補助金制度を提供
    • 環境省「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)」
    • 環境省「民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」
  • 「活用できる補助金が分からない」「申請が複雑」という声が多いが、無料相談窓口を活用

得られた結果

  • 空調省エネシステムで年間109万円の電気代削減・9.5t-CO2削減を1年で達成(投資回収期間は目安1.6年)
  • エネルギー監視→省エネ設備→太陽光の3段階で系統的に脱炭素化を進めるモデルが機能

他社が参考にすべき点

製造業の施設・設備担当・省エネ推進担当向け:

  1. 空調室外機への省エネ制御システムは小規模から始められる——全台でなく「効果が見込める台数」に絞って試験導入することで、試算を超える効果を確認してから横展開できる(カナデン事例では9台限定→試算2.4倍の削減効果)。
  2. エネルギー監視システム(EMS)を先に入れると補助金申請の省エネ量計算の根拠データになる——省エネ補助金の申請にはベースラインデータが必須。EMSを入れることで申請精度と採択率が上がる。
  3. オンサイトPPA(初期費用0円)は太陽光導入の最低ハードルを取り除く手法——資金がない中小製造業でも、PPAを選べば電気代削減効果を得ながらCO2排出量を減らせる。