やったこと
電力広域的運営推進機関(OCCTO)のワーキンググループ第11回会合において、データセンターなどの大口需要家が引き起こす系統空押さえ問題に対応するための新制度が決定された。2026年10月1日から適用が開始される「容量開放(キャパシティリリース)」「費用精算」「柔軟な変更ルール」の3つの対策が導入される。
具体的な手順・工夫
問題の背景 データセンターの急増に伴い、送配電への接続申請が急増したが、設備完成前に大容量の系統接続枠を確保するいわゆる「空押さえ」が系統容量を圧迫し、他の需要家や再生可能エネルギー事業者の接続を妨げる事態が生じていた。
制度1:容量開放(キャパシティリリース) 接続予定容量のうち、供給見通しが未確定な分について申請者が一部を返納できる制度。不要容量を系統に戻すことで他の需要家が接続できるようになる。
制度2:費用精算 接続申請から実際の電力利用開始までの間に不要となった費用の精算を可能にする。計画変更や縮小が生じた際に、接続費用の一部を精算することで申請者の財務リスクを軽減する。
制度3:柔軟な変更ルール 「軽微な変更」に該当するケースでは、関係者への通知手続きで迅速な変更が認められる。従来の全面的な再申請なしに計画修正が可能になる。
スケジュール 新ルールは2026年10月1日から対象事業者への適用が開始される。2027年度以降の本格運用を見据えた準備が必要である。
得られた結果
制度導入により、データセンター事業者は不要容量を保有し続けるリスクを軽減できる一方、系統全体の有効利用率の向上が期待されている。再生可能エネルギーや他の大口需要家が接続を待たされる期間の短縮効果も見込まれる。
他社が参考にすべき点
データセンター開発事業者は、2026年10月から適用される新ルールに基づき接続申請計画を見直すことが求められる。需要量が確定していない段階での大容量申請は費用リスクを伴うようになるため、段階的な容量確保計画への転換が合理的な対応となる。電力多消費型施設(物流倉庫・製造工場)の新設でも同様の考え方が参考になる。