やったこと

アリゾナ州立大学とカーボン管理プラットフォームPersefoniが共同開発した「Scope3削減5ステップロードマップ」。CSRD・カリフォルニア州SB253等の規制対応に加え、実際の排出削減に繋げることを目的とし、大学院生チームが体系化した実務向けガイドである。

具体的な手順・工夫

Step 1: Start(始める)

  • 削減の最終目標を明確化する
  • ステークホルダーマップを作成(最大サプライヤー・調達部門・経営陣)
  • 既存データのマッピングと品質評価
  • 調達ポリシーの現状評価
  • イニシアチブを推進するタスクフォースを結成

Step 2: Measure(測定する)

  • スペンドベース手法でScope3排出量を暫定試算(完全データがなくても即日開始可能)
  • Persefoniなどのカーボン会計プラットフォームを導入してGHGプロトコルに準拠
  • 主要排出源サプライヤーとの対話を開始
  • 「分析麻痺」を避け、不完全でも前に進む

Step 3: Leverage(活用する)

  • CDP報告書で業界ベストプラクティスを把握
  • ベンダースコアカードにGHG報告メトリクスを組み込む
  • Chancery Lane Projectの契約条項(100以上)を調達契約に活用

Step 4: Strategize(戦略化する)

  • サプライヤーへの削減目標設定を支援(buying powerを活用)
  • SWOT分析で実行可能性を評価
  • 四半期ごとに戦略をレビュー
  • 長期目標を短・中・長期に分解

Step 5: Evolve(進化する)

  • SBTs(科学的根拠に基づく目標)に沿った購買ガイドラインを更新
  • CDPを通じたサプライヤーの公開開示を促進
  • クレードルゲート排出データなど粒度の高いデータへ段階的に移行

得られた結果

5ステップ構造を採用することで、「どこから手をつければよいか分からない」組織でも即日アクション開始が可能。スペンドベース手法により完全データなしでも試算が可能で、分析麻痺を防ぐ。

他社が参考にすべき点

EU CSRD・カリフォルニアSB253への対応が必要な大企業だけでなく、先行対応を目指す中堅製造業にも適用可能。「完璧でなくてよい」という哲学が実務上の最大の壁(データ不足)を乗り越えるカギ。