やったこと

富士電機が2026年6月に発表した電力取引運用システム「EnergyGATE for Power Trading」は、蓄電池を活用した電力取引を自動最適化する産業向けプラットフォームだ。日本卸電力市場(JEPX)・広域系統運用機関(OCCTO)・エリア別需給調整市場(EPRX)の複数市場に対応し、単一システムで横断的な取引戦略を生成できる。

具体的な手順・工夫

中核となるのは「3時間先の電力需給予測に基づく最適取引戦略の自動生成」機能だ。気象予測データと機械学習アルゴリズムを組み合わせ、蓄電池の充放電タイミングを各市場の価格動向に合わせてリアルタイムで調整する。ポジティブ収益(価格が高いときの放電)とネガティブ収益(需給調整への応答)の双方に対応した設計で、複数市場を同時に最適化できる点が特徴。対象ユーザーは系統用パワーコンディショナーを活用する事業者、太陽光などの再エネ事業者、電力取引最適化ニーズのある企業だ。

得られた結果

同システムは蓄電池単体の収益化を大幅に効率化する。従来は担当者が手動で市場状況を確認しながら入札を行っていたが、EnergyGATEはAIが自動で取引戦略を生成・実行するため、24時間365日の最適運用が可能になる。これにより電力取引にかかる人的コストの削減と、予測精度に基づいた収益最大化が同時に達成できる。

他社が参考にすべき点

ESGや再エネ事業を展開する中堅以上の企業が系統用蓄電池を設置・運用するケースに直接活用できる。特に「蓄電池は設置したが収益化の仕組みが不明確」という企業にとって、電力市場参加のハードルを下げるソリューション。再エネPPAと系統用蓄電池を組み合わせる事業者は、本システムとの連携を検討する価値がある。