やったこと
東京都が実施する「プログラム型プロジェクトを活用したカーボンクレジット創出支援事業」の採択5件を整理。複数の中小企業の削減活動をまとめてJ-クレジット化できる「プログラム型プロジェクト」スキームを使い、2028年1月までのクレジット認証取得を目標とする。2025年度〜2027年度の3か年、成果連動型協定金で支援(2025年度:最大1,600万円、2026/27年度:最大2,000万円)。
具体的な手順・工夫
プログラム型プロジェクトとは
- 個社ではJ-クレジット取得の手続きが重すぎて断念しがちな中小企業を「束ねて」まとめてクレジット化するJ-クレジットの特別スキーム
- 運営主体(採択事業者)が①中小企業の勧誘・参加支援 → ②モニタリング実施・報告書作成 → ③クレジット認証審査 を一括して担う
- 参加する中小企業側は「設備を導入するだけ」でクレジット収益が配分される
採択5事例のスキーム
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Carbon EX(高効率ボイラー)× 三井住友銀行
- 対象:製造業・医療・福祉・宿泊・温浴施設のボイラー高効率転換
- 中小企業は省エネコスト削減+J-クレジット収益の両取りが可能
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クレアトゥラ(高効率空調)× 首都圏産業活性化協会
- 対象:事業所・店舗への高効率空調導入
- 電力・化石燃料の削減量を基にCO₂削減量を算定しクレジット化
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バイウィル(自家消費型太陽光)× 信金連合
- 対象:「既存建物に2024年度中に設置した2年以内の自家消費型太陽光」が申込条件
- 成果報酬型のため中小企業の費用負担ゼロ、京王電鉄の駅広告に参加企業名を掲出
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バイウィル(LED照明)× 信金連合
- 対象:2年以内に導入したLED(500個程度が目途)
- 費用負担ゼロ、クレジット収益を還元
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フェイガー(農業:水稲中干し延長・バイオ炭施用)× JA東京中央会
- 対象:都内水稲農家の中干し期間延長(メタン削減)・バイオ炭農地施用(吸収・除去系)
- 全国77自治体でJ-クレジット創出実績あり
スケジュール(新規プロジェクトの場合)
- 計画書作成(体制・方法論・モニタリング計画・収益配分方法)
- 第三者機関による妥当性確認
- J-クレジット認証委員会への登録申請
- モニタリング実施・報告書作成
- クレジット認証取得(目標:2028年1月)
得られた結果
- 5プロジェクトを採択、2025年11月に決定(Carbon EX・クレアトゥラ・バイウィル2件・フェイガー)
- 2025年度支援金:最大1,600万円 / 2026〜2027年度:最大2,000万円(成果連動型)
- 2026年3月に第1回カーボンクレジット創出セミナーを実施、アーカイブ公開
他社が参考にすべき点
- 既に省エネ設備を入れた中小企業にもJ-クレジット収益の逆算チャンスがある:「2024年度中に設置した自家消費型太陽光」「2年以内のLED」など、過去の投資にもクレジット化の余地がある
- プログラム型は個社申請の10分の1のコスト感で参加できる:第三者審査費用・モニタリング管理コストを運営主体が負担するため、中小企業の実質コストがほぼゼロ
- 銀行・信金・JA・産業団体との連携が鍵:採択5件すべてが金融機関・団体と共同申請。中小企業ネットワークを持つ支援機関が運営主体になる構造
- 農業系(中干し延長・バイオ炭)は設備不要で参加可能:太陽光・LED・ボイラーと違い設備投資なしでクレジット化できる数少ない方法論