やったこと
Sweepが2026年版「Scope 3 Emissions Playbook」を公開。サプライチェーン排出量(Scope3 Cat.1〜15)の算定から目標設定・ホットスポット特定・開示までの実装手順を体系化。CSRD(2028年開示義務)とCBAM(2026年1月開始)の規制圧力を背景に、実務担当者が即使える4ステップのフレームワークを提示。
具体的な手順・工夫
ステップ1: サプライヤーエンゲージメントと計測基盤 Scope3計測の4つの手法:
| 手法 | 精度 | 実装難度 |
|---|---|---|
| 業界平均値 | 低 | 易(まず着手) |
| 支出ベース | 低〜中 | 易 |
| サプライヤー直接データ | 高 | 難 |
| ハイブリッド(混合) | 中〜高 | 中 |
- まず「業界平均値」でベースラインを引き、段階的に精度を上げる
- 全サプライヤーにデータを求めるのではなく、80-20の法則で上位20%のサプライヤーから着手(このグループが全排出量の約80%を占める)
ステップ2: サプライチェーンのマッピング(Tree構築)
- サプライヤーの活動・プロセス・システムを可視化する「Tree」を作成
- どのサプライヤーからどのデータが必要かを特定し、排出量トップエミッターを洗い出す
- 購買チームと連携してデータ収集を自動化する
ステップ3: 目標設定
- Scope 1・2・3それぞれに独立した目標を設定(1&2とまとめない)
- SBTiに整合したサプライヤー個別の削減目標を設定
- サプライヤーへ削減ロードマップの共有・支援を要請
ステップ4: ホットスポット特定と削減活動の優先化
- 排出量が多く、かつ削減ポテンシャルの高いカテゴリを特定
- 購買品の切り替え・輸送経路最適化・製品設計変更の3軸で対策
ManoManoの事例
- ECサイト(5,000社セラー・1,900万商品)がSweepで月次・四半期のリアルタイム排出量モニタリングを実現
- 「データ収集の大幅な時間削減と、より頻繁な進捗確認が可能になった」
得られた結果
現在Scope3を計測している企業はわずか28%(Scope1: 61%・Scope2: 42%)。一方で86%のバイヤーがサプライヤーに脱炭素の実績証明を求め始めており、計測・開示の遅れが競争劣位につながるリスクが高まっている。
他社が参考にすべき点
Scope3対応の第一歩として、①まず支出ベース(spend-based)でカテゴリ別の概算排出量を算出し、②上位20%のサプライヤー(購買額上位)に絞ってデータ収集を始める。CSRD対象(従業員1,000名以上・売上€4.5億以上)の日本企業はEU向け輸出がある場合、2028年のScope3開示義務に今から備える必要がある。CBAMは2026年1月から既に運用開始しており、EU向け輸出のある製造業は直接の財務影響が出始めている。