実装のポイント

ペロブスカイト太陽電池は、印刷プロセスで製造でき軽量・フレキシブルという特性から、従来の結晶シリコン太陽電池が設置困難だった建物外壁・屋上・曲面構造物への展開が期待されている。アイシンが製造したペロブスカイト太陽電池30枚が愛知県刈谷市の体育館に設置され、屋外での耐久性・発電量・実用性を検証する実証実験が開始された。本件は愛知県が進める次世代太陽電池実証プロジェクトの第1号案件として位置づけられている。

現段階のペロブスカイト太陽電池の発電効率は10%台。市販の結晶シリコン系(一般的に20〜22%)と比べると半分程度であり、同じ発電量を得るには設置面積が大きくなるという課題がある。一方でフレキシブル性・軽量性・薄型という利点から、体育館の屋根など重量制約がある箇所への展開可能性が注目されている。

具体的な手順

設置構成

  • 設置枚数: 30枚
  • 合計出力: 1kWh相当
  • 設置場所: 愛知県刈谷市の体育館(屋外)
  • 製造: アイシン(国内製造)

電力利用の方式 発電した電力は蓄電池に蓄え、夜間照明用に活用する計画。昼間に発電した再エネ電力を蓄電池で時間シフトし、夜間の施設照明として利用することで、グリッドからの電力消費を削減する。

実証で検証する項目

  1. 屋外環境での耐久性(温度・湿度・紫外線)
  2. 実際の発電量と効率データの取得
  3. 蓄電池との連携運用の有効性
  4. 公共施設・避難所としての活用可能性

得られた結果(実証中)

現時点では実証が開始されたばかりであり、定量的な発電実績データは今後取得予定。アイシンは今後2年間で発電効率をさらに高め、製品化を目指すとしている。刈谷市長は「被災時の避難所での活用にもつながる」と述べており、防災・BCP(事業継続計画)観点での再エネ設備としての位置づけも検討されている。

課題として認識されているのは設置面積の問題。効率10%台では同じ発電量を得るために結晶シリコン比で約2倍の面積が必要になるため、土地・屋根面積が限られた施設では設置設計の工夫が求められる。