やったこと
EDF(環境防衛基金)とUN Climate Change High-Level Champions Race to Zeroが共同で、企業のScope3排出量削減を支援する実践的ウェビナーシリーズ「The Scope 3 Playbook」を展開した。測定の課題から規制対応、農業・輸送部門への具体的介入まで9テーマを体系化し、サプライチェーン全体の脱炭素化に向けた行動可能なフレームワークを提供した。
具体的な手順・工夫
Scope3測定の実務では、サプライヤーごとの排出係数収集と一次データへの移行を段階的に進めるアプローチを採用。中重量トラックの電動化については、車両ライフサイクルコスト(TCO)分析と充電インフラ整備のロードマップを組み合わせた導入モデルを提示した。
規制対応面では、SECおよびEUのScope3開示義務の最新動向を網羅し、2026年以降の報告要件に向けた内部データ管理体制の整備手順を具体化。環境・気候正義(ECJ)の観点をScope3目標設定に組み込む方法論として、コミュニティ影響評価とサプライチェーンマッピングの統合手法も紹介した。
食農セクターでは、農地由来メタン削減のための農家エンゲージメント手法と、バイヤー主導の購買要件(採購仕様書)への排出基準組み込みを実施。Scope3プロジェクトへの民間資金調達として、グリーンボンド・サステナビリティリンクローンの活用条件も整理した。
得られた結果
サプライヤーエンゲージメントを強化した先行企業では、Scope3カテゴリ1・11(購入物品・販売品使用)の排出量可視化率が従来比3〜4倍に向上。電動中型トラックへの移行企業では、バリューチェーン排出量の15〜30%削減余地が確認された。ネイチャーベースのソリューションを気候行動目標に組み込んだ企業では、投資家・取引先からの評価スコアが改善した。
他社が参考にすべき点
- サプライヤーを巻き込む際は「削減要求」より「削減支援」フレームで始めると協力率が高まる
- Scope3測定は完璧を目指さず段階的に精度を上げる「フィット・フォー・パーパス」アプローチが現実的
- 食農・輸送など高排出カテゴリに特化した削減計画を先行させると全体進捗が加速する
- 規制開示と内部管理データを同一システムで管理することでダブルワークを削減できる
