やったこと
2027年度から始まるSSBJ(サステナビリティ基準委員会)開示義務化への対応を見据え、国内主要GHG算定・開示ツール5製品の選定基準を整理した比較を紹介する。単純な「どのツールが良いか」ではなく、企業の状況に応じた最適解を提示している。
具体的な手順・工夫
比較対象ツール5選:
| ツール名 | 強み | 向いている企業 |
|---|---|---|
| ASUENE | 算定・削減・報告を1プラットフォームで完結。BPO(外部委託)も可 | 社内専門人材が不足・期限が迫っている企業 |
| Zeroboard | GHG算定とESGデータ管理に特化。AIST-IDEA準拠 | 国内中堅・サプライヤー対応が必要な企業 |
| booost technologies | 複数拠点のデータガバナンスに強み | 工場・事業所が多い製造業 |
| Persefoni | グローバル対応・コンプライアンス・分析機能 | 海外拠点・海外投資家対応が必要な企業 |
| Workiva | 財務報告との統合ワークフロー管理 | 統合報告書・有価証券報告書と同時開示が必要な企業 |
ツール選定の4つの優先順位:
- 規格への対応範囲: SSBJ・IFRS S2・TCFD・CDP・SBT・CSRDの網羅度
- 第三者保証対応力: 監査証跡の保存、エビデンス管理機能
- Scope3・サプライチェーンデータ収集: サプライヤーアンケート機能・排出係数DB
- 導入サポート体制: コンサルティング・BPO・運用伴走の有無
SSBJ開示に必要な最低要件の確認ポイント:
- Scope1・2・3の算定機能
- 第三者保証に耐える監査証跡(変更ログ・データソース記録)
- 財務報告との整合性確保
- マルチサイト・グループ会社一括管理
得られた結果
- 「安いから」という理由だけで選んだツールは、Scope3対応・保証対応の際にシステム移行が発生するリスクが高い
- AI自動入力・BPO委託の組み合わせにより、専門人材不在でも2027年までに開示体制を構築できることが確認された
- グループ会社が多い企業はシングルサインオン(SSO)対応・多言語対応が必須要件となる
他社が参考にすべき点
連結売上高1,000億円超の上場企業は2027年3月期決算から開示義務が始まる見込み。今から18ヶ月を切っており、ツール選定→データ収集体制構築→初回算定→第三者保証というステップを逆算すると、ツール導入決定は遅くとも2026年10月が限界。中堅企業(売上高100〜1,000億円)も取引先から同等の開示を要求される事例が増加中。
