やったこと
Pexaparkが2025年11月に公開した「On-Site PPAs in 2025: Small in Scale, Big in Structural Differences」で、欧州における2025年のオンサイトPPA(構内専用線PPA)の市場実態と、通常のオフサイトPPAとの構造的差異を体系化した。
具体的な手順・工夫
オンサイトPPAとオフサイトPPAの決定的な違い
- オンサイトPPA:発電設備から専用線(プライベートワイヤー)または構内接続で直接受電→系統使用料・課税が免除される分コストが大幅に低い
- オフサイットPPA:系統経由で電力を受け取る→市場価格との差金決済が標準(金融型が多い)
- 価格設定の根拠が異なる:オンサイトは「コストベース(設備の建設費・運営費の償却)」、オフサイトは「市場価格連動」
2025年の取引実態
- 欧州で19件・477MWのオンサイトPPAが締結(ニッチだが成長中)
- ドイツがMW数で最大:メルセデス・ベンツとUmweltgerechte Kraftanlagenの140MW風力PPAが年最大案件
- 英国は6件(33.5MW)で成熟市場として確立
- 1件ごとの設計がフルカスタム(立地・需要パターン・系統条件による)
契約期間・会計処理の特殊性
- 平均契約期間:19年(オフサイトPPA約12年比+7年)
- 理由:設備の経済的耐用年数と投資回収ロジックが直結
- IFRS16:専用線経由で設備を実質支配する場合、オフバランスでなくリース資産として貸借対照表に計上が必要→財務部門との連携が不可欠
- 付帯契約が複数発生:土地賃貸借・専用線敷設の地役権・保守アクセス権など
得られた結果
欧州では大規模拠点(自動車工場・物流センター等)でオンサイトPPAが定着。「初期費用ゼロ・電力コスト固定・Scope2削減」の三条件を同時に達成できる手段として製造業大手が採用中。
他社が参考にすべき点
- IFRS16の資産計上を事前にCFOと合意してから交渉に入る(後から発覚すると案件が破談になる)
- 19年契約が標準のため、撤退条件(違約金・設備の帰属・ROFO権)を交渉の最優先事項とする
- 系統使用料免除のメリットを定量化してTCO比較に組み込まないと社内稟議が通りにくい
- 土地賃貸・地役権・保守権の3つの副契約を先に整理してから本契約交渉に入る
