やったこと

キリンホールディングスが日本製鋼所(JSW)と共同で、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂のアルカリ解重合技術について実機設備での量産実証に取り組んだ。2023年から技術開発を推進し、今回は実際の生産規模に近い実機装置で操業条件を確立することを目標とした。

具体的な手順・工夫

従来のPETケミカルリサイクル技術は高温・長時間の反応工程が必要だったが、アルカリ解重合法では短時間でのPET分解を可能にする反応条件を設計した。実機設備での試験を繰り返し、温度・時間・アルカリ濃度のパラメータを最適化することで「250kg/時間以上で安定してPETを分解する操業条件」を確立した。キリングループ内のパッケージイノベーション研究所がプロセス設計を担い、機械メーカーである日本製鋼所が実機設備の製造・調整を担当する体制で進めた。

得られた結果

解重合率95%以上を達成し、250kg/時間以上での安定操業条件を確立した。これにより商業規模でのPETケミカルリサイクルの実現可能性が実証され、従来品と同等品質の再生原料を安定供給できる見通しが得られた。

他社が参考にすべき点

飲料・食品メーカーがプラスチックリサイクルに取り組む際、素材メーカーや機械メーカーとの共同実証体制が有効。解重合率(%)と処理速度(kg/時間)を明確なKPIとして設定し、段階的に実機スケールアップを進めることで量産化のボトルネックを事前に特定できる。自社単独でなく「ユーザー企業×機械メーカー」の連携が実証の早期化に貢献している。