やったこと
再エネ100宣言 RE Action(自治体・企業・教育機関の再エネ100%コミットメント連合)が2020〜2023年に公開したヒアリング事例集で、中小企業・建設業・大学が再エネ100%を実現した具体的な調達スキームを開示した。第三者所有型オンサイトPPA(初期費用0円)・自家消費太陽光+V2H・ブロックチェーン電力トレーサビリティ・J-クレジット活用の4手法が組み合わせ事例として示された。
具体的な手順・工夫
【事例1】株式会社大川印刷(神奈川・印刷業)
- ソーラーフロンティア(株)が90kW太陽光設備を所有・維持管理(大川印刷の初期費用ゼロ)
- 大川印刷は発電電力を購入し自家消費(第三者所有型オンサイトPPA)
- 本社工場の20%を太陽光で賄い、残り80%は青森県横浜町の風力発電電力をみんな電力経由で購入
- 横浜市と東北12市町村の連携協定に基づく地域連携型モデル
- 地元事業者がパネル設置・維持管理を担うことで地域経済も活性化
【事例2】総天然素材革工房 革榮(千葉・革製品製造)
- 13kW太陽光パネルを導入し自家消費、余剰は売電
- V2H機器(クルマ→家への充電)を組み合わせ昼夜を通じた太陽光電力利用を実現
- 電気自動車と組み合わせで自給自足に近い形を実現
- 2019年台風・千葉停電時も日中は自家発電で操業継続
- 初期費用回収見込み:太陽光設備費+売電収入で12.5年
【事例3】山田建設株式会社(山形・建設業)
- 社屋に4.9kW太陽光+電気自動車(日産リーフ)+V2H導入
- J-クレジットも組み合わせ、事業所だけでなく建設現場の電力も再エネ100%化
- 建設業は拠点外で電力消費するが、J-クレジットで現場分もカバーできることを実証
【事例4】学校法人千葉学園 千葉商科大学(千葉・教育)
- 野田市に2,880kW(2.88MW)のメガソーラーを所有
- ブロックチェーンP2P電力トレーサビリティで「野田の太陽光→市川キャンパス」を紐付け
- 不足分はトラッキング情報付き非化石証書で補完し再エネ利用率100%達成
- 発電元の「見える化」は証書よりも高い証明力を持ち、RE100基準でも有効
得られた結果
4社の共通パターン:①オンサイト(または自己所有)発電で電力の一部を調達 → ②残りを再エネ電力契約・J-クレジット・証書で補完 → ③合計で再エネ利用率100%を達成。初期費用0円の第三者所有型PPA(事例1)はキャッシュが出ない中小企業でも再エネ100%に踏み出せることを実証した。
他社が参考にすべき点
- キャッシュが出ない中小企業は「第三者所有型オンサイトPPA」から始める(設備所有・維持管理コスト不要で、発電電力を購入するだけ)
- 建設業など現場型の業種はJ-クレジット購入で拠点外の現場電力も再エネ化できる
- V2H(車→建物への充電)で昼の発電電力を夜間利用に回し、自家消費率を向上させる
- ブロックチェーン電力トレーサビリティ付きの電力購入は証書より「発電元の特定力」が高く、RE100・CDP・SBTi報告での証明力が上がる
