研究の概要

EV急速充電スタンドでは、ピーク時に充電需要が設備容量を超えることが常態化しており、公平かつ効率的な電力配分が求められる。本研究は、リアルタイムの瞬時電力要求のみを使用して、公平性を保証しながら設備利用率を最大化するオンライン電力配分ポリシーを提案する。

通常型充電器向け「Fair-Opap-C」とモジュール型充電器向け「Fair-Opap-M」の2つのポリシーを開発。フェアネス基準として公平分配論の「妬みなし(Envy-freeness)」「パレート効率性」「比例性」をスロット単位とセッション単位の両方で適用した。

主な発見・成果

  • 7種類のベンチマークと比較して最高のセッション単位フェアネスを達成
  • 計算複雑度O(n log n):EV台数に対してスケーラブル
  • 500台接続でも1.3ms以内に実行完了:最適化ベース手法より桁違いに高速
  • スロット単位のフェアネス基準(妬みなし・比例性)をすべて充足

実務への応用

EV充電インフラの大規模展開では「先着順」「単純均等割り」では充電体験の不公平や設備過負荷が発生しやすい。本アルゴリズムは複雑な最適化を解かずに1.3ms以内で公平配分を実現するため、商用充電システムへの組み込みが現実的だ。日本でも急速充電設備の混雑管理・負荷制御システムの設計において、このO(n log n)フェアネスアルゴリズムは実用的な参照実装となる。