やったこと
Bird & Bird(国際法律事務所)東京パートナー田邊政裕弁護士が、Asia Offshore Wind Day 2026(東京)での講演内容をまとめた解説。日本・アジア太平洋地域のコーポレートPPA(電力購入契約)の現状と規制変遷を体系的に整理。
具体的な手順・工夫
日本のPPA種類と定義
- オンサイトPPA:発電設備と需要施設が同一敷地内
- フィジカルPPA(オフサイト):送電網経由で物理供給
- バーチャルPPA(オフサイト):環境価値(非化石証書)のみ移転、物理電気は供給しない
日本のPPA規制変遷(2022〜2025年)
| 年 | 変更内容 |
|---|---|
| 2022年 | FIT→FIP制度導入 |
| 2022年 | 非化石証書ルール改正:発電事業者→需要家への直接移転を認可(バーチャルPPA解禁) |
| 2022年 | 経産省:バーチャルPPAに商品先物取引業許可は不要と表明 |
| 2025年 | 日本の会計基準委:バーチャルPPAにデリバティブ会計処理不要と報告 |
件数推移(取引件数の劇的成長)
| 年 | 総件数 | うちバーチャルPPA |
|---|---|---|
| 2022年 | 30件 | 6件 |
| 2025年 | 148件 | 33件 |
2022年比で約5倍に急拡大。
アジア太平洋主要国の動向
- オーストラリア:LGC制度(1MWh=1証書)→ 2027年にREGO(時間単位)へ移行
- シンガポール:ラオス〜タイ〜マレーシア経由の越境電力輸入PPAを実施(LTMS-PIP)
- 各国:RE100達成や自主的な再エネ調達目標に向けたPPA整備が加速
得られた結果
日本のバーチャルPPA件数が2022年6件→2025年33件と5.5倍に拡大。2025年の会計基準明確化により、財務部門がバーチャルPPAを許可しやすくなり、さらに件数増加が見込まれる。
他社が参考にすべき点
- バーチャルPPAは物理インフラ不要で再エネ調達が可能:工場・データセンター・オフィスを問わず活用できる
- 2025年の会計基準明確化(デリバティブ処理不要)で財務リスクが大幅低下し、社内承認が取りやすくなった
- アジア太平洋で事業展開する企業は各国制度を横断比較した上で最適スキームを選択できる
