実装のポイント
日揮HDが神戸市ポートアイランドに竣工した「バイオものづくり研究棟」は、CO2・CO・メタンなどのガス廃棄物を微生物の発酵原料として投入し、化学品・素材・燃料・食品を製造する「ガス循環発酵」技術の世界初の基盤設備を備えている。「廃棄CO2を原料に変える」という実装アプローチは、製造プロセスからのCO2排出を削減しながら同時に資源化する脱炭素手法として注目されている。
具体的な手順・技術
ガス循環発酵の仕組み:
- 製造プロセスで発生するCO2・COなどの排出ガスを捕集
- 捕集したガスを微生物(専用バイオカタリスト)の培養槽に供給
- 微生物がガスを代謝して有用物質(化学品・燃料・食品素材等)を生産
- 製造された有用物質を精製・販売
この「カーボンアップサイクル」アプローチは、CCUSの「CO2貯留」とは異なり、CO2を高付加価値製品に変換して経済価値を創出する点が特徴。
実装ロードマップ:
- 2026年(現在):研究棟での基盤設備稼働・パートナー企業との共同研究開始
- 〜2030年:研究開発・スケールアップ・事業化の3段階を一体推進
- OECDは2030年代にバイオものづくり製品の需要が急拡大すると予測
得られた結果・前提条件
本技術は日揮HDが経済安全保障・脱炭素の双方の観点から位置づける戦略的事業。化石資源に依存しない製造プロセスという観点で、石化依存度の高い化学品・素材メーカーとの共同開発が有望な領域。2030年の事業化に向けて共同研究パートナーを求めている段階であり、製造業での実装検討の入り口は日揮HDへの直接コンタクトとなる。