研究の概要
大規模蓄電池(Front-of-the-Meter BESS)が周波数調整市場・需給調整市場・前日市場・当日市場の複数市場に同時参加する際の収益最大化問題を、実際の市場運用を忠実に再現した逐次最適化フレームワークで解いた研究です。
既存研究の多くは市場を単純化し同時最適化するため、現実の市場ゲートクローズ時刻・ローリング予測更新・容量制約の連鎖が考慮されておらず、実際に適用すると収益が過大推計されることが問題でした。本フレームワークはその欠陥を是正します。
主な発見・成果
- 4市場を逐次最適化: 周波数制御予備力(FCR)→自動周波数回復予備力(aFRR)→前日市場→当日市場の順に、各段階で予測を更新しながら最適入札を決定
- 機会費用ベースの入札戦略: 残余容量の最適化から市場整合的な入札価格を逆算する手法を提案
- 実務との整合性: テスト日での検証で、計画と実績のずれを最小化しながら実現可能な逐次スケジュールを達成
実務への応用
蓄電池アセットを保有する事業者・アグリゲーターにとって直接使えるフレームワークです。①単一市場最適化から複数市場同時参加への移行で収益を向上できる ②「ゲートクローズ時刻を考慮した逐次最適化」は蓄電池EMS(エネルギー管理システム)に組み込める実装イメージが明確 ③日本のFIT/FIP+需給調整市場の組み合わせ最適化にも応用可能な考え方