研究の概要

複数の電力ソース(太陽光、蓄電池、外部電源)を一体化した「マルチポート自律再構成型太陽光発電プラント(MARS:Multiport Autonomous Reconfigurable Solar)」は、次世代電力系統の重要な構成要素。しかし複数ポートの同時制御では、サブモジュールのキャパシタ電圧不均衡が生じやすく、系統不安定の原因となる課題がある。

ジョージア工科大・パシフィックノースウェスト国立研究所の研究者(Xia, Debnath, Saeedifard)が、機械学習を用いてエネルギーバランス制御(EBC)の安定境界を高速決定する手法を開発。PSCAD/EMTDCシミュレーションとハードウェア・イン・ザ・ループ(cHIL)実装で検証した。

主な発見・成果

  • ML支援EBC基準が、拡張された運用範囲全体でキャパシタ電圧バランスを維持しながら安定境界をリアルタイムに決定
  • ACグリッドとHVDCリンクのデュアル接続に対応し、再エネ+蓄電の複合システムを一体管理
  • PSCAD/EMTDCシミュレーションとcHIL試験の両方で検証済みの実用的なアーキテクチャ
  • 運用範囲の拡大(従来の安定制御では稼働できなかった条件でも運転可能)

実務への応用

大規模太陽光発電所や洋上風力とHVDCで系統連系するプロジェクトの運用者・設計者にとって、安定制御の自動化はO&Mコスト削減と系統信頼性向上の両立に不可欠。系統連系容量が拡大するほど安定性解析の計算コストが増大するが、MLによる安定境界の高速決定で対応可能になる。日本でも洋上風力の本格化・HVDCシステムの導入が進む中、複数電源・複数リンクを持つ複合発電所の制御技術として注目される。