やったこと
中南米最大の石油化学企業ブラスケム(ブラジル・約40拠点)が、2050年カーボンニュートラル達成に向けてアクセンチュアと共同で脱炭素ロードマップを策定した。5ヶ月の共同作業で160超の脱炭素施策を承認し、そのほぼ半数が2030年目標(GHG18〜2020年比15%削減)に向けて優先実施されている。
具体的な手順・工夫
Phase 1: ステークホルダーの巻き込み ブラジル5州(アラゴアス・バイア・リオデジャネイロ・リオグランデドスル・サンパウロ)とメキシコのベラクルス拠点に対し、リモートオンボーディングを実施。ESG概念・脱炭素レバー・競合他社プログラムの有効性に関する技術トラックを2本走らせ、自社戦略の方向性についてQ&Aを実施。
Phase 2: アイデアワークショップ 2日間のアイデア出しワークショップを開催し、6大拠点ごとに適用可能な脱炭素施策の候補を抽出。地域担当エンジニア・アクセンチュアの石油化学専門家・サプライヤー数社が数百名規模で参加。
Phase 3〜4: 個別ロードマップとツール構築 6拠点それぞれに最大18の脱炭素パスウェイを含む事業ケースと実装戦略を策定。Microsoft Power BIで「ロードマップ優先順位付けツール」を開発し、全拠点のデータを一元管理。限界削減費用曲線(MACC)でプロジェクトごとのコスト($/tCO2)を可視化。
得られた結果
承認された主な施策例:①アラゴアス州のバイオマス熱電プロジェクト(ユーカリ5,500ha管理・年間90万トンの蒸汽生成・同拠点のGHG約50%=15万tCO2削減)、②余剰副産物のフィードストック転換(フレアリング廃止・ナフサ・エタン需要削減)、③南米・欧州・米国工場への太陽光発電導入。
他社が参考にすべき点
大規模な多拠点企業でも、拠点ごとに異なる技術・排出構造に対応した個別ロードマップが必要。MACCツールを自社に合わせて構築することで、どのプロジェクトから実施すれば費用対効果が最大になるかを経営層に即示できる。社内エンジニアを巻き込んだボトムアップのアイデア出しが「承認160施策」の鍵であり、トップダウン指示型より実行可能性が高い施策が集まる。