やったこと

株式会社LIXILが2026年4月より、国内営業拠点(東京・千葉10施設)に循環型電力オフサイトPPAを導入。太陽光パネルの設置が困難な都市型営業拠点でも長期固定価格で再エネ電力を調達する仕組みを構築した。合わせて国内外5工場(タイ工場・深谷工場・ベトナム工場・大谷工場・上野緑工場)に太陽光発電設備を導入し、Scope2削減を加速させている。

具体的な手順・工夫

循環型オフサイトPPAの仕組み アイ・グリッド・ソリューションズが運用・管理する全国1,300施設以上の屋根上太陽光発電施設から生じる「余剰電力」を効率的に集約し、長期固定価格でLIXILに供給する「循環型電力」モデル。自社施設に太陽光パネルを設置できない都市部拠点でも再エネ電力を調達できる点が特徴。

導入効果(営業拠点10施設)

  • 年間再エネ購入量:70万kWh
  • CO2削減:年間296t-CO₂相当の環境価値をオフサイトPPA由来にシフト
  • 対象10施設が使用する全電力の約50%を本電力に切り替え
  • 稼働開始:2026年4月1日

5工場の太陽光設備導入

拠点モデル年間発電見込量設備能力
タイ工場自家消費1,550万kWh12,700kW
ベトナム工場オンサイトPPA425万kWh3,000kW
深谷工場自家消費27万kWh170kW
大谷工場オンサイトPPA74万kWh713kW
上野緑工場オンサイトPPA46万kWh350kW

タイ工場(2021〜2025年に合計12.7MW設置)では現地補助金を活用して初期投資を抑え、自家消費モデルで年間3,960t-CO₂削減・工場全体電力の9.6%をまかなう。

RE100達成への移行戦略 FYE2026に非化石証書で再エネ100%達成済みだが、証書購入依存を低減し「追加性」のある再エネへの移行を加速。循環型オフサイトPPAはこの「追加性確保」の実装手段として位置づけられている。

得られた結果

都市型営業拠点という太陽光設置困難な施設でも、循環型オフサイトPPAにより50%の再エネ化を実現。タイ工場ではアジア拠点として最大規模の12.7MWを設置し、年間3,960t-CO₂の削減効果を達成。将来的な電力価格高騰リスクの低減と安定事業運営基盤の構築も同時に実現した。

他社が参考にすべき点

「屋根に太陽光を置けないから再エネ調達ができない」という都市型オフィス・営業所の課題を、余剰電力の循環型オフサイトPPAで解決できる。RE100対応やScope2削減を目指す企業は、自社建物への設置可否とは別に「循環型電力PPAへの切り替え」を並行検討することで、証書購入依存から実物再エネへの移行が可能。多拠点を持つ製造業・リテール企業はアグリゲーターと連携することで一括切り替えが実現できる事例。