やったこと

一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターが、日本の製造業主要20業種を対象に産業用ヒートポンプの代替ポテンシャルを定量調査。合わせて11プロセスの導入事例ヒアリングによりイニシャルコスト・ランニングコスト・投資回収期間を実測。GX推進戦略や省エネ補助金制度(電化・脱炭素燃転型)の後押しを受け、産業部門電化のロードマップ策定に必要なデータを整理した。

具体的な手順・工夫

代替ポテンシャル調査 製造業20業種のエネルギー使用量をプロセス別・エネルギー種別・使用温度帯別に整理し、100℃以下の低温熱需要でのヒートポンプ代替可能量を算定。結果、231,153千GJ・設備容量換算で約37,770千kWの代替ポテンシャルが確認された(環境省の2030年導入見込み1,673千kWの約22倍)。

11プロセスの導入ヒアリング(コスト試算)

  • 対象: 温水ヒートポンプ・蒸気ヒートポンプ各プロセス
  • 省エネ効果: 概ね30〜70%の省エネ・ほぼ同割合のCO₂削減を確認
  • 燃料ゼロ化: 11事例中1事例のみ。他はバックアップ・併用で導入
  • イニシャルコストの内訳: 機器本体以外(工事費・周辺部材)が平均50%、最大70% を占める → 機器のみへの補助では不十分。工事費込みの支援が必要

企業が許容する投資回収年数

企業規模許容回収期間
大企業3〜5年
中小企業3年以下

この基準を満たすように補助を設計した場合、732億円の支援で321万t-CO₂/年の削減効果が期待される。

得られた結果

産業部門のヒートポンプ代替ポテンシャルは政府計画を大幅に上回る規模であることが定量確認された。現行の導入支援では機器本体に偏りがあり、工事費等を含む包括支援への転換が普及加速の鍵であることが明確化された。

他社が参考にすべき点

製造業でプロセス熱源をガスから電化(ヒートポンプ)に転換する場合、機器本体価格の1.5〜2倍の工事費・設備費を事前に見積もること。省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の対象は「機器+工事費」を含む場合が多いため、補助申請では工事費も積み込む。100℃以下の温水・蒸気プロセスを持つ食品・化学・繊維業は特に代替ポテンシャルが高く、優先検討対象となる。