やったこと
Dazzle Platform(EcoVadis・CDP・CSRD支援コンサルティング会社)が2026年6月に公開した「How companies are tackling scope 3 emissions in 2026」で、欧州の規制強化を背景に企業が実際に採用しているScope3対応手法の現状を整理した。
具体的な手順・工夫
2026年の規制環境の転換点
- CSRDにより大企業はマテリアルなScope3カテゴリの開示が義務化(準備期間から実行期間へ)
- CDPのScope3データ要求精度が上昇、SBTiはScope3が全体の有意割合を占める企業に対し目標設定を必須化
- 「取り組み中です」という定性的回答が投資家・バイヤーから受け入れられなくなった
企業が採用している3つのアプローチ
① サプライヤーエンゲージメントプログラム
- 排出量測定ツールの提供・研修の実施・脱炭素プロジェクトの共同資金拠出
- 「監査・評価」より「能力構築支援」にフォーカスすることでサプライヤーの協力率が向上
- 主要サプライヤーとの深い協働 > 全サプライヤーへの浅い要請
② 調達基準への排出量基準の組み込み
- 一部企業はサプライヤー選定の最低要件として排出量開示・削減目標設定を設定
- 「評価項目の一つ」から「契約条件」へシフトしている企業が増加
- バイヤー主導の調達仕様書により、市場圧力でサプライヤーの行動が変わる
③ 業界コラボレーション・共同イニシアチブ
- 同業他社と共通のサプライヤーを共有するセクターでは、協調して要請・支援することでカバレッジと効率性が向上
- 個社の取り組みでは動かせない大型サプライヤーを業界全体で動かす戦略
Scope3が難しい根本的理由の再確認
- 企業Scope3の70%以上が自社コントロール外(サプライヤー・物流・エンドユーザー)
- 数百〜数千のサプライヤーからのデータ収集自体が技術的・関係的に困難
- 2026年時点で多くの企業が「測定」から「削減実行」への移行段階にある
得られた結果
2026年規制強化以降、先行企業ではScope3カテゴリ1(購入品)への注力が進み、主要10〜20サプライヤーとの個別脱炭素ロードマップ策定が増加。EcoVadis評価でサプライヤーのESGスコアを調達判断に組み込む企業も拡大中。
他社が参考にすべき点
- CSRDやSBTiに「引き上げられる」前に主要サプライヤーとの脱炭素対話を始めることで、規制対応コストを下げられる
- 個社での取り組みが困難なサプライヤーは業界団体・共同イニシアチブを活用する
- 「要請」より「支援・能力構築」フレームで入る企業の方がサプライヤー協力率が高い(これはEDF研究とも一致)
