やったこと

インフォマートが運営する電子請求書TIMESが2025年1月(最終更新2025年3月)に公開した「Scope3(スコープ3)とは?開示が求められている背景や算定方法を解説」で、Scope3の基本概念から2027年の国内義務化スケジュールまでを整理した。

具体的な手順・工夫

Scope3とは何か(実務者向け定義)

  • Scope3 = 自社以外の事業者・消費者が排出する間接GHG(15カテゴリに分類)
  • サプライチェーン排出量=Scope1+Scope2+Scope3の合計
  • 多くの企業でScope3が総排出量の70〜90%を占め、ここを抑えないと脱炭素目標は達成不可能

Scope3の15カテゴリ(実務で押さえるべき上位カテゴリ)

上流(自社が購買・使用する側):

  • カテゴリ1:購入した製品・サービス(製造業で最大インパクト)
  • カテゴリ4:輸送・配送(上流)
  • カテゴリ6:出張 / カテゴリ7:通勤

下流(自社が販売・提供する側):

  • カテゴリ11:販売した製品の使用(耐久消費財・電子機器で巨大)
  • カテゴリ12:販売した製品の廃棄

2025〜2027年の開示義務化スケジュール

制度対象Scope3義務化時期
SSBJ(日本)プライム上場企業2027年3月期〜(企業規模別段階適用)
カリフォルニアSB253CA州内・年商10億ドル以上2027年〜
シンガポール上場企業2025年〜
CSRD(欧州)大企業2024年度から段階適用開始

日本企業の実務対応における重要点

  • SSBJ(日本版開示基準):TCFD準拠かつより詳細な開示を要求
  • 2026年3月期から「任意早期適用」可能→先行開示で投資家評価を先取りできる
  • 東証プライムはTCFD開示が実質義務化済み→Scope3開示の「予行演習」として活用

得られた結果

2027年に向けた義務化が確定的になったことで、日本の大手企業でScope3測定・開示体制の整備が急加速。2025年時点でプライム上場企業の過半数がScope3カテゴリ1〜15の少なくとも一部を開示済み。

他社が参考にすべき点

  • カテゴリ1(購入した製品・サービス)から優先着手するのが最短ルート(製造業では総排出量の50〜70%を占める)
  • SSBJ義務化(2027年)を待たず、2026年3月期の早期任意適用でTCFD開示と統合して先行公表すると投資家評価が上がる
  • 支出ベース推計(業種別排出係数×購買金額)で全体像を把握してから高インパクトカテゴリに絞り込む
  • カリフォルニア・シンガポール規制は、現地サプライヤーとして取引がある企業にも間接的に影響する