実装ステップ
- CDRの規模要件を把握する — パリ協定目標達成には2035年時点で年間27〜41億トンのCO2除去が必要(WRI試算)。現状は遠く、政府主導の拡大が急務となっている。
- アプローチ別の政策支援状況を確認する — 各国が支援しているCDR技術は異なる。EUはDAC・BioCCS・バイオ炭、スウェーデン・フィンランドはBioCCSを軸にリバースオークション・助成金を整備。カナダは新規調達プログラム(約7百万ドル)を開始。ブラジルはETS(SBCE)にCDRを統合。
- 政策ツールを理解する — 需要側(政府調達・生産税額控除・長期オフテイク契約)と供給側(R&D資金・投資税額控除・補助金)の組み合わせで市場を形成。EU ETSは2031〜2034年に最大2.5億トンのCDRクレジット購入枠を設ける予定。
- 認証・MRVを確立する — EU「炭素除去・炭素農業認証(CRCF)」が2025年5月に成立。測定・報告・検証(MRV)基準と認証レジストリが整備されつつある。
使うツール・標準
- EU CRCF(炭素除去・炭素農業認証フレームワーク)
- EU ETS(排出量取引制度へのCDR統合規定)
- 米国45Q税額控除(炭素貯留への税制支援)
- カナダ クリーンエコノミー投資税額控除
- スウェーデン Bio-CCS リバースオークション(3十億ユーロ・15年間)
- ドイツR&D助成(2033年まで総額5億ドル以上)
成功のポイント
- 長期の収益確実性:民間投資を引き出すには短期補助金ではなく長期オフテイク契約や税額控除が有効。
- バイオマス系CDRの厳格なセーフガード:食料生産との競合・土壌健全性確保のためBECCS・バイオ炭には環境NGOも関与した独立検証が必要。
- 「汚染者負担」への移行:長期的には化石燃料採掘企業にCDRコスト(2050年時点で年間1,000億ドル超)を負担させる制度設計が議論されている。
日本企業への適用
- 日本のGX推進基本計画においても炭素除去技術(DACCS・BECCS)の位置づけが議論されている。国際的な政策動向(EU CRCF・ETS統合)を先取りし、自社のカーボンオフセット戦略にCDR調達を組み込む準備を始めること。
- サプライチェーンにバイオマス関連事業(製紙・農業・バイオエネルギー)を持つ企業は、フィンランド・スウェーデン型のBECCS補助金スキームを参照し、日本での規制整備を見越した技術開発投資を検討する。
