実装のポイント

ジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)は2026年9月、世界初となる大型商船向け水素燃料エンジン「6UEC35LSGH」の工場陸上運転試験に成功した。水素混焼率95%以上を達成し、温室効果ガス(GHG)排出量を従来エンジン比で95%以上削減することを実証した。

本エンジンは低速2ストロークディーゼルエンジンをベースとした水素燃料対応型で、低速大型商船が主な適用対象。国際海事機関(IMO)が定める2050年GHGネットゼロ目標に対応する船舶燃料転換の主力候補技術として位置づけられる。

具体的な手順

1. エンジン仕様と試験構成

  • エンジンモデル:6UEC35LSGH(6気筒・低速2ストローク水素燃料エンジン)
  • 工場陸上試験台での実証試験において、高圧水素インジェクション・点火系統を含む水素燃料供給システムの統合試験を実施
  • 水素混焼率は段階的に引き上げ、95%以上での安定運転を確認

2. 水素燃料供給の実装

  • 高圧水素インジェクション方式を採用し、混焼比率はエンジン制御システムで自動管理
  • 異常燃焼(ノッキング・プレイグニション)防止のため燃焼室設計を水素専用に最適化
  • 液体水素・気体水素両対応の設計により港湾水素補給インフラの形態に依存しない柔軟性を確保

3. 実船実証フェーズへの移行

  • 2028年4月:商船三井保有の多目的船への搭載・実船実証開始予定
  • 実航行条件下で港湾水素補給インフラとの統合・長期耐久性・燃料切替時の安定性を検証
  • 実船データを2030年代の商用化判断の根拠として活用

得られた結果

  • 水素混焼率95%以上を工場陸上試験で実証(世界初・大型商船向けエンジンとして)
  • GHG排出量を従来エンジン比で95%以上削減を確認
  • 陸上試験から実船実証(2028年Q1)への移行スケジュールを確定し、船舶脱炭素化の技術ロードマップが具体化