研究の概要
複数建物のHVACシステムを「仮想発電所(VPP)」として一括管理し、系統側の需要応答(DR)要求に応える技術の研究。個別建物の温度・設定・不確実性を考慮しながら、建物群全体の柔軟性能を最大化するスケーラブルな制御フレームワークを提案した。
主な発見・成果
- 時間分解と到達可能集合の分解:多数建物の状態を組み合わせた高次元問題を、時間軸とゾーン軸に分解して計算可能にする独自手法を開発
- 再帰的実行可能性の保証:各時刻に確実に実行可能な制御ポリシーを保証する理論的枠組みを構築
- 時間因果的な閉形式ポリシー:オンラインでリアルタイム実行できる制御則を事前計算で準備
- 逐次不確実性への対応:気象変動・占有変動などの不確実性を考慮した堅牢な制御設計
実務への応用
デマンドレスポンス市場(DR市場)や調整力市場への参入を検討する建物オーナー・不動産ファンドにとって重要な技術:
- オフィスビル群・商業施設のDR参入:個別建物では小さすぎるDR容量を集約して市場参入可能な規模にする
- 快適性を損なわないDR実行:テナントの室温快適性制約を守りながら最大の調整力を提供
- 再エネ出力変動吸収:建物群のHVAC負荷を蓄電池的に使い、太陽光出力変動を吸収するバーチャルバッテリー化
