やったこと
岡山県の加工食品メーカー・株式会社サンラヴィアンが、2026年9月に中小企業版SBT(Science Based Targets)認定を取得。2021年を基準年として、2030年までにScope 1・2の温室効果ガス排出量を37.8%削減する目標を設定した。取り組みの軸は「全従業員参加型省エネ活動」で、2022年から継続している。
具体的な手順・工夫
省エネ活動の特徴は設備投資だけに頼らない点にある。具体的な施策は以下の通り。
- 全従業員への環境教育の継続実施:現場レベルで省エネ意識を根付かせ、日常業務の中で削減行動を習慣化
- 省エネ設備の導入・更新:エネルギー効率の高い設備への更新を段階的に実施
- 温室効果ガス排出量の継続的な把握:排出量の可視化を継続して改善目標を設定
- 岡山大学との共同研究:環境負荷の可視化手法を研究機関と連携して強化
- 農林水産省CFPモデル事業への参加:カーボンフットプリントの算定でサプライチェーン全体の環境負荷低減を視野に
SBT認定プロセスは「中小企業版(SME版)」を活用。大企業向けSBTより申請が簡略化されており、専門家の支援を受けながらスコープ1・2の削減目標を設定した。
得られた結果
2022年からの約4年間の省エネ活動により:
- 年間エネルギーコスト削減:約3,400万円
- CO2排出量削減:年間約306トン相当
コスト削減と脱炭素の両立を中小企業として実証し、SBT認定という対外的な信頼性の証明も得た。
他社が参考にすべき点
- 「全従業員参加型」にすることで設備投資だけに頼らない持続可能な省エネ文化を構築できる。経営トップだけでなく現場を巻き込む仕組みが長期継続のカギ
- SBT認定は「SME版」を選ぶことで大企業向けより申請コストを大幅に低減できる
- 省エネはコスト削減(年3,400万円)にもつながるため、ROIを示しながら経営層への説得材料として活用できる
- 「目標設定(SBT)→排出量の可視化→全員参加の活動→設備更新」の順序で進めることで段階的に取り組める
- 研究機関(大学)との連携は、中小企業でも比較的ローコストで可視化・分析の精度を上げる手段として有効
