やったこと
八千代ソリューションズが製造業向けに、Scope3の15カテゴリと製造業への関連度、算定4手法の精度・難易度比較、顧客からの開示要求への対応ステップ、主要削減アクション、補助金との組み合わせを体系的に解説した記事を公開。自社調査(n=500)による中小製造業の実態データを含む。
具体的な手順・工夫
製造業での主要Scope3カテゴリと優先度:
| カテゴリ | 内容 | 製造業での重要度 |
|---|---|---|
| Cat.1 購入した製品・サービス | 調達原材料・部品の製造排出 | ★★★(最大カテゴリになることが多い) |
| Cat.4 上流輸送・配送 | 原材料調達に伴う輸送排出 | ★★ |
| Cat.5 廃棄物処理 | 工場廃棄物の処理排出 | ★★ |
| Cat.11 販売製品の使用 | 製品の使用段階排出 | ★★★(製品特性に依存) |
| Cat.12 販売製品の廃棄 | リサイクル・廃棄排出 | ★★ |
算定4手法の比較:
- 支出基準法(Spend-based): 調達費用×排出原単位DB → 精度低〜中、難易度低。会計データから算定可。初期段階に有効
- 平均データ法(Average-data): 調達量×業界平均排出係数 → 精度中、難易度中
- サプライヤー固有データ法: サプライヤーから直接排出量データ取得 → 精度高、難易度高
- LCA法: 製品1個当たりのライフサイクル全体計算 → 精度最高、難易度最高
顧客からのScope3開示要求への対応ステップ(大手自動車・電機メーカーサプライヤー向け):
- Scope1・Scope2の算定(Scope3の前提として必須)
- 主要カテゴリ(Cat.1・Cat.4)の支出基準法での算定
- データ収集・算定の社内仕組み構築(担当者・ツール・収集サイクル)
- 顧客の指定フォーマットでの提出対応
- 削減目標・削減活動の計画策定と継続改善
主要削減アクション:
- Cat.1:省エネ素材・再生素材への切替、サプライヤーへの省エネ設備導入促進
- Cat.4:輸送経路最適化・モーダルシフト(トラック→鉄道・船舶)
- Cat.11:省エネ設計・製品効率改善
- Cat.12:リサイクル可能設計・リペア対応
調査による実態(2025年10月、n=500):
- 10人未満の工場でCO2排出量「ほとんど把握していない」:74.1%(他規模は42.4%)
- 年商500億円以上でGX取り組み理由に「規制・法令対応」:49.5%(他規模は19.4%)
- 年商20億円未満の工場でGX障壁に「予算・資金不足」:50.0%
得られた結果
大手メーカーがサプライヤーにScope3開示・削減を要求するケースが増え、「取引継続条件」化しつつある。中小製造業の74%がScope1・2の把握すら不十分であり、Scope3対応は段階的アプローチが現実的。
他社が参考にすべき点
中小製造業はまず Scope1・2 の算定から着手し、次に Cat.1(購入品)を支出基準法で概算することが現実的な出発点。Scope3削減目標の設定と省エネ補助金・GX補助金の申請を連動させると採択可能性が高まる。取引先からの開示要求がある場合は、指定フォーマットへの対応を優先して計画を立てる。中堅・中小製造業・調達部門・サステナビリティ担当向け。
