やったこと

積水化学工業と積水ハウスが共同で、「新仕様」フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を2026年9月4日から開始した。実証期間は3年間で、積水ハウスの住宅・商業施設を試験環境として使用する。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン系太陽電池では設置できなかった屋根・建物外壁(ファサード)・車両表面などに貼り付けが可能な薄膜型の次世代太陽電池。「新仕様」として改良されたコスト競争力と実用性を実証する。

具体的な手順・工夫

「新仕様」の特徴

  • 薄膜フィルム状でフレキシブル(曲面・非平面に対応)
  • 従来の結晶シリコン系太陽電池に比べ製造コストが低い(ロールtoロール製造プロセス)
  • 既存の建物・車両への後付け設置が可能
  • 短期・長期どちらの設置形態にも対応

実証の設計

  • 積水ハウスが手掛ける住宅・商業施設(屋根・壁面)を実際の設置環境として活用
  • 「多様な環境での設置面積の最適化」を3年かけて検証
  • 住環境での実使用条件(温度・湿度・日照変動)下での耐久性・発電量を長期計測

実装シナリオの多様化

  • 建物外壁(ビルのガラス面を除く面への貼り付け)
  • 住宅屋根の既存パネルが設置できない部位
  • 車両への貼り付けによるEV充電補助

得られた結果(実証フェーズの中間的な意義)

  • 設置環境の多様化で太陽光発電の適地を大幅に拡張できる可能性を実証
  • 「設置できない建物はない」という業界の常識を変えるポテンシャル
  • 積水化学のフィルム型ペロブスカイトは業界の中でも先行する国内リーダー的な位置
  • 3年間の実証データが今後の量産・商用化判断の根拠となる予定

他社・他業界が参考にすべき点

  • 「設置できる場所が増える」ことが再エネ普及の隠れたボトルネック解消につながる。自社のビル・工場・物流施設の壁面や屋根(重量制限のある古い建物)に太陽光を載せられない企業は、ペロブスカイトの商用化タイミングを見越した設備計画を検討すべき。
  • ハウスメーカーと電池メーカーの共同実証モデルは、「実使用環境でのデータ蓄積+商品開発フィードバック」を同時に得る効率的な方法。自社製品との組み合わせでJoint実証を模索できる。
  • 2026年9月〜2029年の実証データが出始める。ペロブスカイト太陽電池の導入を検討する企業は2028〜2029年が実証結果の収穫タイミングとなるため、今から用途・設置場所の候補を整理しておくことが重要。