研究の概要
公共交通の電化計画において、オープンな交通データ(GTFS形式)を活用して電気バスシステムの電化戦略と太陽光発電統合を評価するオープンソースフレームワーク「GTFS4EV」を開発した。開発途上国のダカール(セネガル)BRT(バス高速輸送)システムを事例に、3種の充電方式(①車庫充電のみ、②ターミナル+車庫ハイブリッド充電、③ターミナルのみ)を比較し、太陽光発電との組み合わせ効果を定量化した。詳細な交通データが限られる新興国・途上国でも、GTFSという国際標準の公開データだけで分析できる点が実用的な強みである。
主な発見・成果
- ハイブリッド(機会充電)採用で必要な搭載バッテリー容量を285kWhから57kWhへ約80%削減(バス1台あたり)
- 機会充電と太陽光発電の組み合わせにより、グリッド充電のみと比較して充電コストを最大46%削減
- GTFSという標準的な公開データのみを使用するためデータ制約地域でも実装可能
- オープンソースで再利用・改良が可能なフレームワーク設計
- スイス・EPFLと西アフリカ・UCAD(ダカール大学)の国際共同研究
実務への応用
日本の自治体・バス事業者が電気バス導入計画を立案する際、本フレームワークは路線データ(GTFS形式)から充電インフラ規模と太陽光設置の最適組み合わせを算出するツールとして活用できる。車庫の屋根に太陽光パネルを設置するケースの投資回収計算や、機会充電方式によるバッテリー小型化とのコスト比較に直接使える。運輸部門の脱炭素計画策定において、実証ベースの数値根拠を提供する手法として参照価値が高い。
