やったこと

DDX(members.co.jp)が解説するSBT(Science Based Targets)認証取得の実践ガイド。申請プロセスの5ステップと、企業が実際につまずきやすい5つの課題・対応策をまとめている。

具体的な手順・工夫

STEP1: コミットメントレター提出
SBTiへの意思表明。必須ではないが社内外への早期宣言として有効。提出から24ヶ月以内に具体的目標を提出する必要がある。

STEP2: GHG排出量算定と目標設定
Scope1・2・3の三スコープで排出量を正確に把握し、科学的根拠に基づく削減目標を策定。Scope3がGHG総排出量の40%以上の場合は削減目標設定が必須。

STEP3: 目標提出と審査
英語の規定テンプレートに沿って目標をSBTiに提出し、第三者審査を受ける。

STEP4: 目標公表と実行
認証後は再生可能エネルギー導入・省エネ設備更新などの具体的削減施策を実施。

STEP5: 進捗報告と見直し
毎年排出量と進捗を報告し、最低5年ごとに目標を見直す。

5つの課題と対応策

課題対応策
社内浸透(経営層と現場の温度差)リスク・機会を具体的に提示し、各部門にKPIを設定
情報収集(SBTiガイドラインの頻繁更新)専門家の活用でキャッチアップ
算定精度(部署間のデータ粒度・方法のバラつき)ルール統一とマニュアル整備
サプライヤー連携(報告形式の不統一)段階的な働きかけと契約条件への組み込み
削減実行(具体策が不明確で計画倒れ)事業部を巻き込んだKPI設計と内部カーボンプライシング導入

得られた結果

SBT認証取得は企業価値向上とステークホルダーからの信頼獲得につながる。ただし「認証はゴールではなくスタート」であり、全社体制と外部専門家との連携が削減実行の成否を左右する。

他社が参考にすべき点

  • コミットメントレターは早期提出が対外信頼につながるが、24ヶ月の期限があるため逆算してScope3算定スケジュールを設計する
  • Scope3が40%以上の場合(製造業・小売業はほぼ該当)は削減目標設定が必須になるため、カテゴリ別の算定精度向上を先行して進める
  • 削減実行フェーズでの「計画倒れ」防止には内部カーボンプライシングの導入が有効。投資判断に炭素コストを組み込む仕組み化が重要