やったこと

ウェイストボックス社が解説するサプライヤーエンゲージメントの実務ガイド。Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)における一次データ取得を通じた排出係数改善の設計手順をまとめている。

具体的な手順・工夫

一次データ活用の基本原則
二次データ(産業連関表・AIST-IDEA)は平均値であり、同じ製品でも再エネ比率・設備の新旧・製造プロセスの違いで実排出量は大きく異なる。サプライヤーから「実エネルギー使用量・生産量・Scope1/2排出量算定結果」を収集することで、そのサプライヤー固有の排出係数を使えるようになる。

優先サプライヤーの選定基準

  1. カテゴリ1排出量(影響度)が大きいサプライヤーを優先
  2. 業種・カテゴリでセグメントし偏りを避ける
  3. 将来重要になる調達先を早期に巻き込む
  4. CDPスコア・第三者認証で成熟度を見立てる

アンケート収集の設計
標準化ツール(CDPサプライチェーン・EcoVadis)か自社独自アンケートかを目的に応じて選択。必須質問(Scope1/2排出量・連結範囲・第三者検証有無)と任意質問を分けて設計する。

一次データをScope3算定に反映する方法

  • ハイブリッド法: 一次データ取得部分のみ二次データから置き換え(導入しやすい)
  • 全体換算法: 一次データの範囲から全体に引き延ばして算定(二次データ不要だが取得割合が低いと誤差大)

アンケート実施の3ポイント

  1. 社内合意を先に取る(購買・財務・経営層を含め、窓口・FAQ・説明会を整備)
  2. 期間中は伴走が重要(リマインド・問い合わせ対応を購買担当と連携して対応)
  3. 回収後に価値が出る(妥当性確認→フィードバック→改善ポイント提示のサイクルを回す)

得られた結果

一次データを起点にサプライヤーの改善(再エネ化・効率化・工程改善)を排出係数の低下として捉えることで、「事業規模を縮小しなくてもScope3が削減できる」構造を作れる。二次データの排出係数は自動では下がらないため、活動量削減に頼った目標管理からの脱却が可能。

他社が参考にすべき点

  • 初年度は影響度上位+成熟度が高いサプライヤー数社から開始し、ハイブリッド法で取り込むのが現実的
  • サプライヤー側への数字開示要求には機密情報懸念がある。独自アンケートの場合は配慮事項を明記する
  • 毎年Scope3構成を見直してサプライヤー優先度を更新しないと形骸化する