研究の概要
電気自動車(EV)のスマート充電最適化を送電系統レベルと配電系統レベルの両方を統合して扱った研究です。多くの先行研究は系統レベルを分けて分析しますが、本研究はトップダウン(集中計画→分散展開)とボトムアップ(価格シグナル→地域最適化)の2アプローチを実際の系統モデルで比較しました。
EVの充電柔軟性は再生可能エネルギーとの統合において「移動する蓄電池」として極めて重要な役割を担います。高再エネ普及時代にEV充電をいかに制御するかは、GX実現の鍵となる技術・制度設計上の問いです。
主な発見・成果
- 集中計画は有効: 送電系統の集中最適化が算出した充電スケジュールは、個人の運行パターンとも両立しつつ不制御充電に比べて系統違反を大幅削減
- 価格シグナルで分散最適化が機能: 集中計画が出す価格シグナルをEV充電の分散最適化に使うことで、集中最適解に近いプロファイルを実現できる
- 高DER普及でも有効性を維持: 太陽光発電等の分散型電源が大量普及した系統でも、集中計画されたEV充電は有効に機能する
実務への応用
EV充電インフラ事業者・電力会社・アグリゲーターへの示唆として①価格シグナルを活用した分散型EV充電最適化(V2G含む)は集中管理なしでも高い系統整合性を達成できる ②再生可能エネルギー出力の吸収手段としてEV群の充電シフトは有効な需要応答手段 ③EV普及政策と系統計画を統合した「電動化×再生可能エネルギー」の共同最適化が重要