やったこと
Scope3排出量算定において、全サプライヤーへの一律1次データ収集は現実的でないと判断し、優先順位付けによる段階的アプローチを採用する実務手順を整理した。
具体的な手順・工夫
Step1:マテリアリティ(重要性)の絞り込み まず支出額上位80%に該当するサプライヤーを抽出する。次に業種別の排出係数(スパンデータ)を参照し、同じ支出規模でも排出量が大きい業種(鉄鋼・化学・輸送等)のサプライヤーを優先リスト化する。
Step2:データ収集方法の選択 優先サプライヤーには自社開発またはアスエネ・ZeroBoard等のSaaSプラットフォームを通じたアンケートを送付する。1次データが取得できないサプライヤーには、環境省の排出原単位データベース(サプライヤー別平均法)を活用する。1次・2次データの混在は算定として問題ない。
Step3:段階的な精度向上 初年度は2次データ中心で算定を開始し、ベースラインを確定させる。翌年度以降、毎年カバレッジを広げながら1次データ比率を高める「進化型」アプローチが推奨される。
得られた結果
「完璧を待たずに始める」ことで、1年目から開示・マテリアリティ評価への活用が可能となる。
他社が参考にすべき点
主要顧客が自社であるサプライヤーは「依頼すれば応じてもらいやすい」ため、関係深度も優先順位の判断軸に加える。