やったこと
資源エネルギー庁が2025年12月に公表した審議会資料では、第7次エネルギー基本計画を踏まえた省エネ・非化石転換施策の全体像と令和7年度補正予算案の具体的な支援スキームを詳述している。2030年度に向けた「徹底した省エネ→電化・非化石転換→DX・AI活用」の3段階施策ロードマップが軸となる。
具体的な手順・工夫
2030年度省エネ目標と現在地
- 2013年度の最終エネルギー消費3.64億kLを2030年度に2.80億kLへ削減(原油換算6,200万kL削減目標)
- 2023年度実績は2.97億kL。残り削減量に向けて2030年まで年約800万kL相当の追加削減が必要
- 日本のGDPあたり一次エネルギー消費量は世界平均の半分以下と効率性は世界最高水準だが、さらなる削減余地を追求
令和7年度補正予算案の支援スキーム(675億円・総額2,450億円)
- 令和5年度補正予算から3年間・7,000億円規模の省エネ・非化石転換設備更新支援の最終年度
- ①GXⅢ類型(新設): メーカー強化枠とトップ性能枠を創設。従来支援水準を大きく上回る省エネ設備(トップ性能枠)への補助率増加や新設への支援対象拡大を措置
- ②省エネ・地域パートナーシップ: 地域金融機関・省エネセンター等との連携による中小企業向け省エネ診断・設備更新支援の継続
- ③デジタル・AI技術の導入促進: データセンター等の電力需要増加に対応しつつ、AI活用による工場・ビルの最適制御で省エネ効果を拡大
制度改正・開示制度の整備
- 省エネ法定期報告情報の開示制度を新設:大規模事業者のエネルギー消費・省エネ対策実績を開示義務化
- DER(分散型エネルギーリソース)推進戦略ワーキンググループを新設。蓄電池・EVのV2G等を活用したディマンドレスポンス(DR)を省エネと一体推進
- トップランナー制度の対象機器拡大と遵守基準の強化
得られた結果(見込み)
- 2030年度ミックス目標(2.80億kL)達成には約1,700万kLの追加削減が残存
- GXⅢ類型により従来の補助率より高い水準の支援が受けられる省エネ設備カテゴリが増加
- 省エネ法開示制度により取引先・投資家がサプライヤーの省エネ実績を確認可能に
他社が参考にすべき点
補助金申請のタイミング: 令和7年度補正予算(675億円)は国庫債務負担行為含め総額2,450億円と大型。GXⅢ類型(メーカー強化枠・トップ性能枠)は新設のため初年度に申請するとより手厚い支援が受けやすい可能性がある。省エネ法の定期報告データが開示義務化されることを見越して、今から自社のエネルギー消費データの整備・精緻化を進めておくと、開示基準クリアと調達・融資交渉の両方で有利になる。
