実装ステップ

  1. 現在の排出量管理ツールの分断状況を把握する — 多くの企業でScope 1・2はERPや請求書データから計算し、Scope 3は別のツール・コンサルタントへ外注するサイロ化が生じている。まず自社のデータフロー・ツール使用状況をマッピングする。
  2. 統合プラットフォームを検討する — GreenlyとNormativeの統合により、以下の機能が1プラットフォームで利用可能になる:Scope 1/2/3算定・サプライヤーエンゲージメント・ライフサイクル評価(LCA)・CSRD/IFRS/SEC/SBTiの複数フレームワーク対応レポート。
  3. 移行・実装の優先順位を決める — 統合ツールへの移行は(1)まずScope 1・2のデータ接続を確立、(2)主要サプライヤーとのデータ連携設定、(3)製品レベルのカーボンフットプリント(LCA)算定へと段階的に進める。
  4. 規制対応レポートの自動化を設定する — CSRD対応が急務の欧州事業を持つ企業は、マルチフレームワーク出力機能(GHGプロトコル・ISO 14064・ESRS)を活用して開示コストを削減する。

使うツール・標準

  • Greenly / Normative統合プラットフォーム(企業カーボン会計・4,000社超・30カ国以上)
  • GHGプロトコル Scope 1/2/3(算定の基礎標準)
  • CSRD / ESRS(欧州サステナビリティ報告指令)
  • IFRS S2(気候関連開示標準)
  • SBTi(科学的根拠に基づく目標設定)
  • LCA(ライフサイクル評価)(製品レベルの排出量算定)

成功のポイント

  • 科学的厳密性と利便性の両立:Normativeは「エンタープライズ級の方法論」で知られ、Greenlyは「AIネイティブ自動化と国際展開」を強み。統合で両面の品質が求められる。
  • 算定ベースラインの早期確立:ツール移行時に算定方法論・排出係数・対象範囲が変わることで数値が変動し得る。移行前後の比較可能性を文書化しておく。
  • 複数フレームワークへの対応設計:レポート要件は地域・規制により異なるため、入力データを1回入力すれば複数フレームワーク向けに出力できる設計を選ぶ。

日本企業への適用

  • 欧州事業・欧州顧客を持つ日本企業はCSRD(2026年度報告から一部日本企業も対象)への対応が急務。Greenly/Normative型の統合ツール活用で開示作業のコスト・工数削減が可能。
  • カーボンアカウンティング市場はM&Aによる統合が進んでおり、自社が現在使用しているツールの将来性(機能拡張・サポート継続)を見極めた上で中期的なツール選定を行うことが重要。