やったこと

ELCOM SDGsブログが2026年2月に公開した解説記事で、2027年3月期からSSBJ基準によりScope3開示が義務化される流れを整理し、中小サプライヤーを含む実務対応のロードマップを示している。

具体的な手順・工夫

Scope1〜3の区分整理

  • Scope1: 自社燃焼(ボイラー・社用車)
  • Scope2: 購入エネルギー(電力・熱・蒸気)
  • Scope3: サプライチェーン上の他社排出(上流15カテゴリ+下流)

Scope3の15カテゴリ概要

  1. 購入した製品・サービス(原材料・パッケージ調達)
  2. 資本財(生産設備増設)
  3. Scope1・2に含まれない燃料・エネルギー活動(採掘・精製工程)
  4. 上流輸送・配送
  5. 事業廃棄物の処理
  6. 出張
  7. 雇用者通勤 8〜15. 下流物流・製品使用・廃棄・投資等

多くの企業でScope3は総排出量の70%以上を占めるとされており、真のカーボンニュートラルにはバリューチェーン全体の管理が不可欠。

開示義務化スケジュール

  • 2023年6月: ISSBがScope3含む開示義務基準を発表
  • 日本: SSBJが国内基準を策定中。プライム市場上場企業等を対象に2027年3月期から段階的に義務化
  • 影響は上場企業にとどまらず、取引先の中小企業にも波及(大企業がサプライヤーにScope3削減を要求)

実務対応ステップ

  1. 自社のScope1・2を先行して確定
  2. GHGプロトコル基準でScope3カテゴリを特定・優先順位付け
  3. 環境省グリーン・バリューチェーン・プラットフォームの算定ツールを活用
  4. 重要カテゴリについてサプライヤーへのデータ収集体制を整備
  5. 削減目標を設定してSSBJ開示フォーマットで報告

得られた結果

Scope3算定を開始した企業は、サプライヤーとの協働削減・原材料選定見直し・輸送最適化など、従来の省エネ施策では見えなかった削減機会を発見できる。

他社が参考にすべき点

上場企業でなくても、取引先の大企業がScope3削減目標を持つ場合、サプライヤー側のCO₂排出データ開示が商取引条件になりうる。中小製造業は今から自社Scope1・2の算定精度を高め、Scope3 カテゴリ1(購入製品・サービス)のデータ提供準備を進めるのが実用的な第一歩。