やったこと
リコーが「GXラボ」コンテンツとして、サプライチェーン全体のCO2削減(Scope1/2/3)に取り組む企業メリットと算定方法・削減推進の枠組みを実務者向けに解説した記事を公開。SBT・パリ協定への対応要件、脱炭素化の経営メリット(企業価値・人材確保・差別化)を整理している。
具体的な手順・工夫
Scope1・2・3の役割分担:
- Scope1: 自社燃料燃焼等による直接排出
- Scope2: 他者から供給された熱・電気由来の間接排出
- Scope3: 原材料調達から製品廃棄までのサプライチェーン全体の排出(15カテゴリ)
SBTとの関係: Scope1/2/3すべてを削減対象とするのはパリ協定に準拠するSBT(Science Based Targets)の要求水準。5年〜10年先を目標年として設定し、算定→報告→削減のサイクルを回す。
脱炭素化の3つの経営メリット:
- 企業価値向上: エネルギー消費効率改善によるランニングコスト低減→ESG投資・融資優遇に直結
- 差別化・取引リスク低減: 炭素税や環境配慮外商品排除リスクを回避。サプライヤー選定基準として環境対応が普及
- 人材確保: 脱炭素取り組み企業への就職・転職希望者増加傾向
サプライチェーン排出量の算定の進め方:
- まずScope1・2(自社直接分)の算定から開始
- Scope3はカテゴリ1(購入した製品・サービス)から着手(多くの企業で最大の排出源)
- 取引先・仕入先と連携し、Scope3の削減を共同推進
- 外部認証(CDP・SBT)への申請で客観的な取り組みの可視化
連携による相乗効果: サプライチェーン全体での脱炭素化は取引先との協力なしには困難。大企業がリードしてサプライヤー・顧客と共同でCO2削減計画を立てることで、排出削減と取引関係強化が同時に実現できる。
得られた結果
サプライチェーン脱炭素への取り組みは世界的な調達要件として標準化されつつある。Scope3算定の基盤を構築した企業は、SSBJ(サステナビリティ基準)や第三者保証要件にも対応可能な体制を先行整備できる。
他社が参考にすべき点
まずScope1・2の算定から始め、EMSや省エネ設備更新でコスト削減と排出削減を両立する。Scope3は全カテゴリを一度に対応しようとせず、排出寄与の大きいカテゴリ1(購買品)から着手する。SBT認定を取得することで国際的な調達先・投資家からの信頼を獲得できる。製造業・商社・小売業のサステナビリティ担当者向け。
