GX(グリーントランスフォーメーション)分野での人材獲得競争が激化するなか、日本の研究者・専門職の年収水準が国際比較で深刻な低位にあることが改めて浮き彫りになっている。NISTEP(科学技術・学術政策研究所)のPPP調整済みデータによると、日本のGX関連職の平均年収は約28,400ドルで、調査対象10カ国中最下位。首位のスイス(約74,000ドル)の38%程度にとどまる。

数字が示す構造問題

NISTEP調査(N=13,657)では、ポスドク段階からGXキャリアへの転換率(継続率)は約70%と報告されているが、その70%が選択するキャリアパスの多くは国内の民間GX部門ではなく、海外機関や研究職のままにとどまるケースが目立つ。「GXを選べば年収が上がる」という構図が国内では十分に機能していないことを示唆している。

海外との差を生む要因

海外の先行事例では、週4日勤務(英国:61社・2,900名の実証)やサバティカル対応制度をセットにした「Upcycled Career Program」が専門職の採用競争力を高める手段として普及している。こうした働き方の柔軟性が、実質年収格差を補完する要素として機能している点は注目に値する。日本企業がGX人材を獲得・定着させるためには、給与水準の引き上げと並行して、柔軟な勤務制度の整備が不可欠といえる。

詳細データはpostdoc.jp/observatory/およびgxhaken.com/overseas-jobs/で確認できます。