やったこと

三菱ガス化学・三菱マテリアル・関東天然瓦斯開発の3社は2026年9月16日、宮城県刈田郡蔵王町で地熱資源の開発可能性調査を目的とした共同事業を開始した。独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の「令和8年度地熱発電の資源量調査事業費助成金」の交付事業として採択されており、公的支援を活用したモデルケースとなっている。

具体的な手順・工夫

  1. 段階的な調査設計(単独→共同):三菱ガス化学が2021年度から単独で基礎調査を実施し、地域の地熱ポテンシャルを確認してから2026年3月に共同事業契約を締結。リスクを抑えながら段階的に投資規模を拡大するアプローチを採った。
  2. 長期的な地熱ノウハウの活用:三菱ガス化学は1981年から地熱開発に従事しており、40年以上の知見を今回の調査に活用。初期参入企業との連携が成立している。
  3. JOGMEC助成金の活用:地熱は調査フェーズの不確実性が高く、民間単独では初期投資が難しい。JOGMECの資源量調査費用助成制度(資源量調査費用の一部助成)を活用することで民間リスクを軽減している。
  4. 複数企業のリスク分担:資源開発の知見を持つ三菱ガス化学、素材・鉱業インフラを持つ三菱マテリアル、天然ガス開発ノウハウを持つ関東天然瓦斯の3社でリスク・技術を分担。

得られた結果

  • 2026年9月より可能性調査フェーズを正式開始。
  • JOGMECからの令和8年度助成金交付事業として採択済み(具体的な助成額は非公表)。
  • 蔵王地域での5年以上にわたる基礎調査データを踏まえた本格調査に移行。

他社が参考にすべき点

  • 地熱開発でJOGMECの資源量調査助成を受けるためには、単独企業での基礎調査→共同事業契約→JOGMECへの申請という段階的アプローチが有効。
  • 地熱開発は長期(調査から発電開始まで10年超)かつ初期リスクが高いため、異なる強みを持つ企業群のコンソーシアム形成が現実的な参入手法。
  • 40年超の地熱実績を持つ企業をアンカーに据えることで、調査リスクとJOGMEC審査の両面でアドバンテージが生まれる。