実装のポイント
郵船ロジスティクスグループは2025年5月に「Alternative Fuel」プログラムを開始し、フィンエアーとのBook & Claim方式によるSAF環境価値の割り当て契約を締結した。Book & Claim方式は、SAFを物理的に実際の使用航空機に充填しなくても、SAFの利用から生まれる環境価値(GHG削減効果)を切り分けて購入できる仕組みで、物流利用者がScope3の「輸送カテゴリー(カテゴリ4)」の排出削減を実現できる。
具体的な手順
- SAFの調達と証書発行: フィンエアーが空港でSAFを実際に燃料として使用し、利用量に相当するGHG削減証書(環境価値)を発行する
- 環境価値のプールへの組み入れ: 郵船ロジが発行済み証書を一括取得し、「Alternative Fuel」プログラムのプールに組み入れる
- 輸送モード別の割り当て設計: 「航空・海上・陸上3つの輸送モードに対応」した割り当てロジックにより、荷主企業の貨物輸送ごとに削減量を算定する
- 第三者認証と証明書発行: 「第三者認証機関の検証を受けており、信頼性と透明性を確保したGHG排出量削減証明書」を荷主企業へ発行する。この証明書はScope3カテゴリ4の開示資料やTCFD報告書に直接利用できる
- サプライヤーへの展開: 荷主企業は自社のScope3算定に本証明書を計上し、バリューチェーン全体の削減ストーリーに組み込む
得られた結果
この方式の最大の利点は「物理的な輸送ルートやキャリアの選択を変えずにScope3を削減できる」点だ。特に複数の物流業者を使い分ける大企業では、個々のキャリアごとにSAF混合燃料への切り替えを交渉する代わりに、本プログラムへの加入単一の窓口でScope3開示要件に対応できる。
