実装ステップ
シュナイダーエレクトリックはパリ拠点のカーボンアカウンティングSaaS「Greenly」と提携し、電気系バリューチェーン内のSME(中小企業)向け「Decarbonization Champion Program(DCP)」を展開している。以下が参加企業の実装ステップである。
ステップ1: 排出量の計測(Scope 1・2)
Greenlyのカーボンアカウンティングプラットフォームを活用し、自社のScope 1(直接排出)・Scope 2(電力等間接排出)の排出量を可視化する。
ステップ2: スキル習得
シュナイダーエレクトリックの「Sustainability and Energy Tech School」への受講登録。サステナビリティ戦略・省エネ技術に関する研修を受ける。
ステップ3: リモートオーディットの実施
SE Advisory Servicesがリモートで現状監査(エネルギー利用・排出源・削減機会)を実施する。
ステップ4: 脱炭素ロードマップの策定
ストラテジーワークショップを通じて、カスタマイズされた脱炭素ロードマップを作成。削減目標・施策・優先順位を整理する。
ステップ5: 技術実装と経済的支援の活用
シュナイダーエレクトリックの選定省エネ技術(インバーター、エネルギー管理システム等)と財務インセンティブを活用して施策を実行する。
使うツール・標準
- Greenlyプラットフォーム — Scope 1/2の排出量算定・追跡SaaS
- SE Advisory Services — リモートオーディット・コンサルティング
- Sustainability and Energy Tech School — eラーニング研修
- 参照規制: EU CSRD(企業サステナビリティ報告指令)、オーストラリア気候関連財務開示制度
成功のポイント
- バリューチェーン脱炭素(Scope 3)への実装準備としての位置づけ — 親会社・大企業がCSRD/ISSBに対応するため、サプライヤーへの排出量開示要求は今後急増する。本プログラムはそれに先行した準備になる
- 年間3.4万ドル相当のサービスバンドル — ソフトウェア・コンサルティング・研修を統合提供
- 外部監査への対応準備 — 算定根拠となるデータが蓄積されるため、第三者検証にも対応できる
日本企業への適用
日本でも大企業のサプライヤー(Tier1/2/3)が脱炭素開示を求められるケースが増えている。本プログラムの構造は日本SMEにも参考になる。特に「まずScope 1/2を計測する→ロードマップを作る→技術実装→資金調達」という流れは普遍的である。国内では経産省「GXリーグ」参加企業のサプライヤーや、トヨタ・パナソニック等大企業の取引先SMEが同様の要求に直面している。
