JIをロシアへ:京都メカニズムの実践経験
Bringing the JI to Russia
Owain Johnson
本稿は、京都議定書の共同実施(JI)メカニズムの実践経験を振り返る。著者はロシアでのJIプロジェクト開発において、排出削減ユニット(ERU)の商業リスク管理や市場流動性不足時のヘッジ戦略などの課題を論じる。CDMとJIが後の世界的な気候政策の基盤を築き、特に中国の技術進歩への炭素金融の貢献を強調する。
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Bringing the JI to Russia
Owain Johnson
本稿は、京都議定書の共同実施(JI)メカニズムの実践経験を振り返る。著者はロシアでのJIプロジェクト開発において、排出削減ユニット(ERU)の商業リスク管理や市場流動性不足時のヘッジ戦略などの課題を論じる。CDMとJIが後の世界的な気候政策の基盤を築き、特に中国の技術進歩への炭素金融の貢献を強調する。
Armando Holzknecht, Rene Schwaiger, Juergen Huber +2
本研究は、炭素価格への実質的な支持を高めるための55の行動介入を、約2万人の米国人を対象に同時に実施した。その結果、介入の効果は統計的に有意だが非常に小さく(Cohen's d: 0.04–0.08)、研究チームの期待効果は過大であることが示された。
High-integrity forest carbon credits: Assessing equity and governance deficits in Colombia's voluntary carbon market.
(著者不明)
本論文は、コロンビアの任意炭素市場における森林炭素クレジットの公平性とガバナンスの欠陥を評価する。高完全性クレジットの実現に向けた課題を明らかにし、炭素市場の制度的改善に示唆を与える。
Egypt Social Cost of Carbon Dataset (ESCCD)
Emad Hashemi
エジプト固有の社会的炭素コスト(SCC)を推定するためのデータセット。地域別損害関数、割引率の不確実性を考慮し、ARDL分析を用いた実証結果を提供。発展途上国における気候政策と炭素価格設定の基礎資料となる。
Egypt Social Cost of Carbon Dataset (ESCCD)
Emad Hashemi
本データセットは、エジプト固有の社会的炭素コスト(SCC)を推計するための経済・気候・環境データを提供。地域損害関数、割引率の不確実性を含み、炭素価格や気候政策の分析を支援する。発展途上国における気候経済学の透明性と再現性向上に貢献。
Carbon neutral industries and compensation for greenhouse gas emissions
Piacentini R.D.
本論文は、産業のカーボンニュートラル化と温室効果ガス排出の補償メカニズムについて検討している。相殺や炭素価格制度などの手法を分析し、産業界の脱炭素化に資する知見を提供する。
Carbon Pricing and Compensation in Policy Mixes: Decarbonization Constraints in Resource-Based Sectors
Bernt Arne Bertheussen, Martine Guttormsen, Elias Nyheim Såstad Solberg +1
資源ベースのセクターにおける炭素価格と補償政策の相互作用を検討し、脱炭素化の制約要因を明らかにする。
Beyond CO₂: unintended spillover effects of emissions trading on fugitive methane via supply chains
Minghu Xie, Kejia Yan, Bo Zhang
本研究は、1990~2023年のG20主要排出部門のデータを用い、排出量取引制度(ETS)の導入が下流CO2排出と上流メタン漏洩排出に与える影響を分析。差の差分析の結果、ETSは1~2年のラグを伴ってCO2を削減する一方、上流メタンも間接的に減少するが、それは化石燃料需要の減少による波及効果であり、直接的な規制効果ではない。ETSのCO2中心設計の限界を示し、メタンの監視・報告・検証(MRV)の重要性を指摘する。
Energy-Use Rights Trading for Low-Carbon Industrial Process Systems: A Review of Pollution Reduction and Efficiency Gains
Zhen Zhao, Renjin Sun, Zihao Yu
中国のパイロット経験を中心に、エネルギー使用権取引(EURT)が産業プロセスの低炭素化と効率向上にどのように貢献するかをレビュー。割当量の希少性や価格、監視・報告・検証、流動性、政策協調の重要性を指摘。炭素排出権取引やホワイト証書制度などと比較し、今後の研究課題を提示する。
Carbon Emissions Trading and Corporate Low-Carbon Transition Risk: Evidence from China’s Pilot Carbon Markets
Yongjin Shang, Shixian Ling
本論文は、中国の炭素排出権取引パイロット(CETP)を自然実験と見なし、2006~2024年の上場企業パネルデータを用いて、炭素取引が企業の低炭素移行リスク(CTR)を低減するかを検証。CTRは座礁資産ポートフォリオへの株式リターンの感応度で測定。結果、CETPはCTRを有意に低下させ、非国有・ハイテク・東部企業で効果が大。炭素価格は排出削減に加え、気候関連金融リスクの緩和にも寄与する。
The ‘Race to Net Zero’: How regional innovation capability increases the impact of the digital economy on carbon shadow price
Baiqing Sun, Jiahui Li, Thompson S.H. Teo +1
本論文は、地域のイノベーション能力がデジタル経済の炭素シャドープライス(炭素の社会的費用)への影響をどのように増幅するかを実証的に分析する。ネットゼロ目標達成におけるデジタル化とイノベーションの役割を定量化し、政策含意を提示する。
A Dynamic Panel Threshold Approach to Decarbonization by Neutral Fiscal Policy: Application to the OECD
Feridoon Koohi-Kamali, Willi Semmler, Samuel Owusu
本論文は、気候変動対策としての自己資金型の課税・補助金政策がCO2排出削減、GDP、雇用に与える影響を分析。2つのレジームを持つCO2閾値自己回帰モデルを用い、1995~2018年のOECD16カ国のデータに適用。結果、税と補助金の同額セットがCO2削減レジームを優位にし、生産と雇用に有意な影響を与えることを示す。
Industrial ecology and carbon property rights
Giurco D.
本論文は、産業エコロジーと炭素財産権の関係を理論的に考察する。炭素排出権の所有権設定が産業システムの環境負荷低減に与える影響を分析することが目的と考えられる。
Carbon emission trading, debt-equity swap policy, and firm value: Theoretical and numerical analysis
NIU H.
本論文は、炭素排出量取引(ETS)と債務株式交換政策が企業価値に与える影響を理論モデルと数値解析により分析する。ETSの価格効果と負債再編が企業評価にどう作用するかを明らかにし、政策設計への示唆を提供する。
Auctioning greenhouse gas emissions permits in Australia
Betz R.
本論文はオーストラリアにおける温室効果ガス排出許可証のオークション設計を分析し、効率性と収入への影響を検討する。排出権取引メカニズムの文献に貢献する。
Bank vs. Trade Credit Financing for Emission Reduction: The Role of Retailer Information Disclosure
Jing Xia, Yifei Liu
本論文は、資金制約のあるメーカーと需要情報を持つ小売業者からなるサプライチェーンを対象に、Stackelbergゲームモデルを構築し、メーカーの炭素削減融資戦略(銀行信用とトレードクレジット)と小売業者の情報共有意思決定の相互作用を分析した。結果、情報共有の効果は市場センチメントに依存し、楽観的な見通しでは投資促進に寄与するが、悲観的な場合は投資を抑制し排出を増加させる。また、メーカーの融資選択は投資コストと炭素価格に左右され、低コスト…
Pricing, Green Investment and Job Carbon Quality in Eight Leading Energy-Transitioning Economies: Implications for Employment, Health, and the Sustainable Development Goals (SDGs)
Hongyun Kuang, Qian Xiao, Ye Wu
ブラジル、中国、日本など8カ国のパネルデータを用いて、炭素価格、グリーン投資、雇用の質が雇用と健康に与える影響を分析。炭素価格とグリーン投資は短期的に雇用を減少させるが、炭素価格は平均寿命を改善するなど健康面での便益も確認。雇用の質は健康に有意な効果を持つ。移行期の労働市場保護とリスキリングの重要性を示唆。
Assessing the carbon market potential of global seagrass recovery
Ralph Chami, Thomas Cosimano, Connel Fullenkamp +2
海草はブルーカーボン生態系の中で最も回復の可能性が高く、最大100万km²の回復により17.8 Pg CO2-eqの炭素除去が見込まれる。炭素クレジットの総価値は1.13~2.27兆米ドルと推定されるが、より保守的なシナリオでは0.28~0.57兆米ドルとなる。部分的な回復でも気候変動緩和への貢献は大きい。
How is the U.S. Pricing Carbon? How Could We Price Carbon?
Joseph E. Aldy, Dallas Burtraw, Carolyn Fischer +3
著名な経済学者5名によるパネル討論を要約。連邦レベルの炭素税は存在しないが、州・連邦のキャップアンドトレードや規制による実質的な炭素価格、排出削減補助金など、米国には多様な炭素価格付けメカニズムが存在することを解説。将来の政策オプションを議論。
EFISIENSI INVESTASI PADA PERUSAHAAN CONSUMER NON-CYCLICALS: DAMPAK CARBON CREDIT, KETIDAKPASTIAN LINGKUNGAN DAN KINERJA PERUSAHAAN
Anne Monika Fristy, Vika Miftahul Jannah, Ayuthia Ramadhani Herman +1
本研究は、インドネシア証券取引所に上場する消費者非循環型企業25社の2022~2024年のデータを用いて、カーボンクレジット相殺、環境不確実性、企業業績が投資効率に与える影響を分析した。重回帰分析の結果、これら3変数は投資効率に有意な影響を与え、企業規模やレバレッジなどの制御変数を加えると説明力が向上した。企業は投資効率維持のため、内部条件にも注意を払う必要がある。